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(5) 謝罪
2007 / 01 / 03 ( Wed ) 結局、彼女は警察らしき人に止められたまま、部屋に来ることができなかった。残念。まぁ、旅先での話でもあるし、ちょっとしたハプニングということでそのまま忘れるという手もあった。 しかし、このままでは後味が悪い。いろいろ楽しく盛り上がり、少しでも心が通じた相手なのだ。しかし、どうすればいいだろう。という時にふと気がついた。 そうだ、携帯番号を持ってるんだった。じゃぁ電話できるじゃないか。電話すればあれが彼女だったかどうかもわかるし、もしそうなら謝ることもできる。よし電話だ。と、勢いで彼女の携帯に電話してしまった。中国語なんて喋れないのにだ。 数コールで彼女が出た。その瞬間、俺は確信した。アレは彼女だった。何故なら彼女は無茶苦茶怒ってるのである。キレてると言っていい。言葉はわからないが、「あんた一体どういうつもりよ!」 ということを言っているのは声のトーンでわかる。怒りがストレートに伝わってくる。 俺は口を開いてお詫びの言葉を述べた。とりあえず英語で。当時俺にとって外国語といったら英語だったのだ。しかし、彼女は英語はわからない。というか、それ以前の問題だった。 彼女が何か叫んでバーンという音がした。丁度部屋に帰って扉を力任せに閉めたらしい。殺伐とした音だ。今まで女の子と電話で喧嘩したことはあるけど、これほどまでに怒り狂い、その感情をぶつけてくるような体験は初めてだ。いや、男の友達でもこんなのはなかった気がする。ものすごい直球なのだ。 「I’m sorry. I was really confusing, because I think you cannot speak English...」 とか言い訳を続ける俺、 「You should try again and I’ll not confuse」 カタコトの英語ながら、図々しくももう一度トライしてみろと提案してみた 「できるわけないじゃない!あんたがうちに来なさいよ!」 ということを言った。聞き取れたのは“来 (ライ)”の音だけだが、間違いない。雰囲気で分かる。もうこれって犬並みのコミュニケーションだ。 開いてる手でガイドブックのページをめくり、初級中国語会話の例文を書いたページを出す。で、その場に合いそうな例文を咄嗟に探して答えた。 「No, I can’t. 我迷路了」[ウォーミールーラ] (できないよ。だって、道に迷っちゃうよ) そりゃそうだ (´・ω・`) 。 彼女が思わず納得したのが雰囲気でわかった。 確かに彼女の家を知らないんだから、旅行者の俺は迷っちまう。あまりの正論に彼女は気勢をそがれたみたいだ。怒りのエネルギーがちょっと和らいだ。 ここが勝負どころと考えて、中国語第二弾。 「对不起」[ドゥイブチィ] 「あぁ~!?(ヤンキー調)」 「对不起」 「。。。」 2回目で俺が謝っていることが通じたようだ。さらに英語で喋り倒す。どうせ通じないんだから何語でも一緒なのだが、どうも当時の自分の中で外国語は英語だった。 で、そもそも英語そのものも全然喋れないのでもう無茶苦茶だ「I miss you」とかまで言っている。稚拙というか、意味が違う。もう勢いだけで大げさな言葉でも何でも使って喋りたおす、という感じだ。 そんな調子で何度も何度も繰り返し喋りたおしたのであった。 北京の熱い夜は、もうちょっとだけ続く。 我迷路了 wǒ mílù le[ウォーミールーラ]: 道に迷った、という意味。この1回しか使わなかった言葉だ。 对不起 duìbuqǐ[ドゥイブチィ]: ごめんなさい、済みません。 この時はひどい発音だったが、その後、ホテルで見たテレビドラマで主人公がヒロインに謝っているシーンがあり、それで正しい発音を覚えた。でも、中国人は日本人みたいに普段から謝りまくらないのであまり日常でも聞かない言葉だ。ホテルで着替え中にルームサービスの女の子が入ってきたときは「对不起」って言ってたけど。 (ヤンキー調): 中国人は、言葉が聞き取れなかった時に「あぁ~!?」とヤンキー調で聞き返すことがある。女の子でもだ。ネットで見ると同じ経験をしてる人が結構いる。でも、怒ってるわけじゃなくて単に言葉が聞き取れなかっただけみたいだ。まぁでも彼氏にはまずやらない仕草だけと思うけど。 |
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