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(6) 挑戦
2007 / 01 / 03 ( Wed )
06

梯子と外されて怒り狂ってる彼女に電話した。日本人同士だってかなり厳しい状況なのに、彼女は中国語しか喋れない。カタコトの英語と中国語でひたすら謝罪と誠意を喋りつづける俺。

でも、悪戦苦闘しているうちに、彼女の気持ちがだんだんおさまってくるのが分かった。言葉は通じてないが、声のトーンで意図を察したのかもしれない。あるいは単に時間が経過して落ち着いたのかな。いずれにしても、15分くらい経つとかなり彼女も落ち着き、店で会っていた時の様な良い雰囲気が戻ってきた。

彼女が何か言って、俺がうんと答える。何を言ったのか全然わからないが、声のトーンからしてYesと答えて良さそうな感じ。で俺が英語で何か喋ると、彼女も絶対意味わかってないくせに、また答えてくる。ほとんどノリだけの会話だ。飼い主と会話する犬ってのは多分こんな気持ちなんだろうな。

最後に彼女が口を開いた。最初とは全然違う、小さく可愛い声だ。「朋友(パンヤオ)」という言葉だけが聞き取れた。友達という意味だ。「Yes. I'll call you again. Good-bye」と言って電話を切った。

***

翌朝はもう帰国だ。4人で北京国際空港に向かう。入国審査のときは、中国人の係員が何となく怖く感じたが、出国審査をする今は全く気にならない。なにしろ、言葉が通じない中で筆談で2時間以上話し、その後電話でキレられたのだ。もう何だってこいってんだ。

***

帰国した時は翌週また北京かと思っていたが、仕事の都合で、次の出張は2週間後になった。そこで、その間にいろいろ準備を進めた。

まずは電子翻訳機。これは量販店でいろいろ出てるけれども、英語と3カ国語使える奴を14,000円くらいで買った。3万以上のもあるけど休めのをとりあえずって感じだ。

次に台本。また店に行くと金もかかるし、そもそも同じ店に行く話にはならないだろう。となると直接電話して待ち合わせするしかないが、俺は中国語が全然喋れないので、電話で喋るための台本が必要なのだ。
ネットの翻訳サイトを使って作ったのは大体こんな文章だ。

你好、我是日本人。我遇见你上星期在KTV。你记得我吗?我去北京星期一。我将到达○○饭店3点。我能遇见你吗?

(こんにちわ。私は日本人です。私たちは先週店で会いました。私のことを覚えてますか。私は月曜日に北京に行きます。私は3時に○○ホテルに着くでしょう。あなたに会うことは可能ですか?)

この中国語、実は正しいかどうか全然自信がない。ただ、単純な文章にしたので翻訳サイトの誤訳は少ないんじゃないかと思った。それから、辞書で発音を調べてカタカナでふりがなを振る。さらに、会話をシミュレーションして、相手の回答例(聞き取らなきゃならない)と答えのセリフも用意。まるでロールプレイングゲームのシナリオみたいだ。

結局、台本はA4一枚になった。馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないが、こっちも必死だ。何しろ言葉が通じない相手に電話をするんだから。

そしていよいよ、出張に行く前の週末。時間は深夜2時半過ぎだ。北京では1時30分頃。週末なのでたぶん店に出ているだろう。でもこの時間なら丁度仕事が終わって家に帰り着く頃だ。

深呼吸してボタンを押す。
長めの接続音に続いて、日本とは明らかに違う呼び出し音。

数コールして彼女が出た。



この日覚えた単語

朋友péngyou[パンヤオ]
 :友達。男的朋友だと男友達で、男朋友だと彼氏ってことらしい。

遇见 yùjiàn[ユージャン]
 :会う。でも他の人が使ってるのを見たことないので変な表現なのかも。

上星期shàngxīngqī[シャンシンチー]
 :先週。来週は「下星期xiàxīngqī」[シャーシンチー]。

记得 jìde[ジーデ]
 :記憶している

qùi[チュイ]
 :行く。ちなみに来るは「来 lái」[ライ]

星期一 xīngqīyī[シンチーイー]
 :月曜日。火曜~土曜はこの数字の部分が二~六になる

jiāng[ジァン]
 :今まさに~しようとしている。

néng[ネン]
 :~できる

到达 dàodá[ダオダ]
 :到着する。

饭店fàndiàn[ファンディエン]
 :ホテル。「酒店jiǔdiàn」[ジューディエン]とも言う

三点sān diǎn[サンディエン]
 :3時のこと。4時なら4点、5時なら5点だ。




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