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(4) 失策
2007 / 01 / 03 ( Wed )
CN04

ぎこちない筆談ながら最終的には小姐と交渉成立した俺だが、うまくいったのは正直、相手が良かったからとしか言いようがない。良かったというのは、俺の事を気に入ってくれて、さらに性格が良かった(あまり短気じゃなかった)ということだ。

でも、この選択が偶然だったかというとそうでもない。というのも、最初にずらずら目の前に並んだ小姐たちの中から選ぶとき、俺は無意識のうちにそうなる確率の高い選択をしていたのだ。

気の強そうな娘よりも、癒し系で穏やかそうな娘を選ぶ。自分のタイプの娘というよりも、視線を合わせてくる娘を選ぶ。何故こんな選択かというと、中国語しか喋れないっていうのを聞いてかなりビビってたからだ。でも、これが幸いした。

これを読んで自分でもやってみようと思う人がいたら、是非、この点だけは忘れず真似してください。

さて、話を戻します。

例の彼女とは、その後もかなりいい感じだった。トイレに行くと言ったら案内してくれて、その間ずっと手をつないでる。で、手を離したと思ったら左手の甲に書いてある部屋番号を指差して、歩いていって扉をノックするジェスチャー。

「終わったらここに書いてある番号の部屋まで行って、トントンってノックするの~」てな感じで、首を傾げて笑って見せる。本当に楽しそうだ。全然言葉も通じない相手と心が通じたことで精神的に高揚してたのかもしれない。俺も高揚しまくってたので、かなりイイ感じだった。

トイレから部屋に戻ると、上司Mは既にエロ親父と化していた。小姐の数は何故か二人に増えている。サービスが良くなったというよりも、一人で対応できなくなったって感じ。もうセクハラしまくりの大暴れ。でも残念ながら俺みたいな邂逅はなかった様子。
ま、そろそろ遅いし上がりますか。

ということで、俺だけは期待感に胸を膨らませつつ、店を後にしたのでありました。

ホテルの部屋に戻って、待つこと30分。不意に電話が鳴った。取ると女性の声。

「KAMI massage OK?」

なんだかフィリピーナみたいな変な英語だ。

「What?」
「Oil massage OK?」
「Who are you?」
「★◎△×□!」

怪しい。なんだこれは?彼女かと思ったが、彼女は英語は喋れないはず。しかも、オイルマッサージなんて話はした覚えがない。後ろで話し声が聞こえる。一人じゃないみたいだ。もしや公安か?心臓の鼓動が上がる。

「Massage OK?」
「How much?」
「300RMB」

手がかりになるかと思って値段を聞いてみたけど、答えを聞いてもよくわからない。さて、どうする。知らぬ振りをした方が良いか?と思っているうちに電話の相手が変わった。少しはましな英語。背後で警察っぽい無線の音が聞こえた。やばいじゃんか。思わずしどろもどろで応対。

でも、この時間に電話するとしたら彼女しかいないはず。そもそもマッサージ頼んだだけで捕まることもないよな、と思い直し、途中から、態度を変えた。

「彼女はあなたがマッサージを頼んだと言ってるが本当か?」
「そうだ」
「マッサージ代はいくらだ」
「300RMBだ」


自分としてははっきり言い切ったつもりだったが、電話はそのまま切られてしまった。

ハッキリ言ってしまったので、逆に不安になった。そのまま部屋に踏み込まれるかと思った。でも、その後20分近くたっても何の変化もない。

逆に心配になった。あれは、彼女だったのではないか、という推測が確信に変わってゆく。慌ててホテルのロビーに下りてみたけど誰もいない。部屋からフロントに電話して、おたくのマッサージサービスは電話営業するのかと聞いたら、そんなことはしてませんと言う。

間違いない。あれは彼女だった。失敗した~。


大失態の北京の夜。でも、夜はまだまだ終わらない。



00 : 25 : 08 | 筆談小姐 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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