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4-07.偉大な一歩
2008 / 06 / 01 ( Sun ) さて、上海戦線が行きつ戻りつの膠着状態に陥る一方で、問題は国内戦線である。初戦惨敗の憂き目を晒した俺に対しては各方面からの突き上げも厳しく、いよいよもって後には引けなくなってきていた。 そして翌日。日没を待って再び同じ店に参戦だ。 河岸をを替えた方がいいんじゃないかという気もするが、どうにも引けないのであと一度だけ。 今回出てきたのは少しぽっちゃり目の娘。写真ではラテン系な顔立ちだったが、まぁどう見ても日本人だ。話をしてみると関西出身らしい。時々混じる関西弁が良い感じでアクセントになっている。会話の時から比較的いい雰囲気で進む。これは期待できるかな。 きっちり仕事をして、2回目に女の子がそうなった頃合いを見計らって交渉開始。彼女はあっさりこう答えた。 「ゴム付けて貰っていいですか?」 おぉ!これはOKということですか?いやぁ、数打ちゃ当たるもんだねぇ。いよいよ来ましたよ。しかし追加料金はどうなるんだろう?後でとんでもない金額を言われてもどうしようもないぞ。改めて確認すると、 「2回目からはいらないけど、今日は8千円」 微妙にお買い得感のある価格設定は関西DNAのなせる業だろうか。 なんだか別のツッコミどころもあったけど、まずは本来のツッコミを無事達成。 この一歩は大きいぞ。ゼロと1とは実際のところ全然違うのだ。 *** 翌週、S本部長と客先での打合せの後、近くの喫茶店で茶を呑む機会があった。仕事の話や雑談をひとしきり終えた後で、俺はこの誇らしい戦果を報告したのだった。 一瞬の間を置いてからS本部長はやにわに立ち上がり、たくましい右手を差し出した。思わず俺も立ち上がってその手を握り返す。強い握力でしっかり握手をしながら、彼はこう言った。 「おめでとう。君ならきっと変われると思っていたよ。そうやって自分を大きくしていけるところが君の良いところだ」 仕事ですら言われたことのない大賛辞に妙な高揚感を覚えながら、 「ありがとうございます。これもみな本部長のお陰です」 と言葉を返す俺。 喫茶店の中にいた他の客が不思議そうな目で俺たちのことを見ていた。 彼らには前半の話は聞こえていなかったはずだから、ただ、大仕事を達成した上司と部下の美しい絆として映ったに違いなかった。 |
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