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4-06.巡回思考
2008 / 06 / 01 ( Sun )
4-06

そんなある日、帰宅すると上海からメールが届いていた。彼女のPCアドレスからのYahooメールだ。そうそう、最初からこれで連絡とれば良かったじゃないか。

久しぶりのeメールは長文だった。

昼間の仕事に夜のKTV、そして学校での勉強も重なり、睡眠時間がほとんどない。今の生活の維持と将来の夢の2兎を追う彼女の生活はかなり厳しいものになっているようだった。メールの内容が愚痴っぽい。

“何でこんな話をまたしてるのか自分でもわからないの。でも、あなたからお金を貰っていた時、凄く悲しかったし自分が情けなかった。私は本当の友達として接して欲しかったし、あなたは事実、そうしてくれてた。あなたは馬鹿な女だと思ったかもしれないけど、あれは単なる愚痴よ。意味がないとか矛盾してるとか言われてもわからないわ。誰に何と言われようとも、私はこの道を歩いて行くしかないんだから。でも私はKTVで働く他の小姐よりはずっと幸せだと思うの”

なんだかまたややこしくなってきた。結局のところ、同じ話がまたくり返されようとしているのだろうか。

長いメールを読んでいると彼女の苦悩が伝わってくるし、それ自体は何とかしてやりたいと思う。実際のところ、好きな女に不自由をさせないといのはごく自然な感情だという気もする。でも、また去年のようなぐちゃぐちゃした話に戻るのも気が乗らない。

言葉を選びながら慎重にメールを書く。現状の環境は自分も悲しく思うし、同情もする。でも、金は出せない。理由は前に何度も話をしたけど、未だに伝わっていないと思う。そもそも文化や言葉の問題もあって話が通じないのかもしれない。

これ以上この点について話をするのは無駄なので、残念ながらお互い、今の現状を受け入れるしかない。彼女のメールに較べてなんて事務的で直裁的なメールなんだろうと思う。自分の表現力のなさを埋め合わせるように、前段では気持ちを率直に表現した。

翌朝、彼女から1行だけのメールが届いた。

「大丈夫、I’ll be more independent」

またちょっと気を悪くして、この話はこれで終わりかと思っていたら、その日の深夜、今度はSMSが送られてきた。

「何というか、昼間のメールは言外の意味はないの。書いた言葉そのまま。でも、いずれにしても顔を合わせて話をしたいわ」

メールやSMSの寄越し方から、彼女の心が揺れ動いているのを感じた。



4-06b



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