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3-9.勝負電話
2008 / 02 / 24 ( Sun ) 怒涛の台湾出張が終っても、彼女からのメールは来ていない。 最後に俺が送ったメールからもう10日が経とうとしている。この流れは自然消滅だよなぁ。 しかし俺には切り札があった。 彼女の誕生日が近いのだ。メールが自然消滅状態にあっても、ここで一つ気合を入れて電話をしてやろう。ここで一発点数を稼ぐぞ。そう思っていた。もしここでスベったなら、それはもう縁がないってことだ。 徐々に彼女の誕生日を指折り数えるようになってくる。メールは来ないままだ。 むしろこのまま来ないでくれ、と本来の趣旨とは逆の願いを抱くようにさえなった。 そしていよいよ彼女の誕生日当日。現地時間で朝8時、日本時間で朝9時。始業前だ。会社のあるビルの1Fのロビーで、通勤してゆく人を眺めながら国際電話をかける。長い番号を押し、呼び出し音を待つ。 1回目の呼び出し音はノイズ交じりの変な音。2回目からはクリアな音質で中国の電話呼び出し音が携帯電話から聞こえてくる。4回目のコールで彼女が出た。 「喂、你好」 眠そうな彼女の声。今日は授業が遅いのか、まだ起きていなかったようだ。 「Hi, good morning. I’m ****. How are you?」 (おはよう、俺だけど、元気だった?) 起きぬけで反応の鈍い彼女。しかし、俺が電話したということは通じたようだ 「Fine. And you? I’ve not seen you for long time」 (うん、久しぶりよね) 挨拶を返す彼女に俺は決め台詞を吐いた 「Happy birthday. Today is your birthday, right?」 (誕生日おめでとう、今日だったよね確か) うわぁ、という感じの声にならない声を彼女は発した。子供が欲しかったおもちゃをプレゼントで貰った時の様な声。驚きと嬉しさが入り混じった感情がほとばしる声だ。 物凄い手応えだ。こういうストレートな反応があるから中国小姐は好きなのだ。 ひと呼吸置いて彼女がこう言った 「Thank you. You’re the first person who celebrates my birthday」 (ありがとう。誕生日祝いを言ってくれたのはあなたが一番乗りよ) 作戦は大成功。 しかも、寝起き襲撃というのが良かったみたいだ。不思議と話が盛り上がる。 内容はたわいもないことなんだけれども、言葉を交わすこと自体が楽しくて、互いに話を続ける。 電話を切った時には電話をかけてから30分以上が経過していた。 |
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