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3-5 国際架電
2008 / 02 / 24 ( Sun )
CN3-05

餌を仕込んで一週間。バッチこーい、という感じで待ってはみたものの反応がない。逆にこっちが不安になる。結局、先に動いたのは俺の方だった。
今回はメールじゃなくて電話だ。これなら返事はリアルタイムだ。

水曜日の朝、始業間際に会社の外に出て自分の携帯から国際電話をかける。以前中国にかけたのは北京の小姐にだった。あの時は中国語なのでそうとう厳しかったが、今度は英語なので多少は楽なはずだ。気持ちを高めて番号を押す。

国際電話番号に国コードの86、それからさらに10桁の携帯電話番号。異常に長い数字の列を打ち込んで発信ボタンを押すと、しばらくたって呼び出し音が鳴り始めた。3コール目で彼女が出る。

「喂、你好」
「Hello? This is **** speaking」
「Oh, how are you?」

最初の様子から声のトーンががらりと変わる。かなりいい感じだ。
しかし、会話が始まって程なく重大な問題が発生した。全然相手の言うことが聞き取れないのだ。

考えてみれば、俺の英語はもともと犬の糞レベル。上海での数週間で上達したものの、帰国してから既に1ヶ月、日本語ばかりを使う生活で今やすっかり路傍の糞だ。

早口でひとしきりまくし立てた彼女が何事か疑問文を発した。
語尾を上げた文章で発言を終わり、黙って俺の答えを待っている。
いや~こりゃまずいな、何聞かれたか全然わからないや。

沈黙する俺に対して彼女が訝しげに尋ねる。

「Are you OK?」

いやもう、正直全然オーケーじゃないんだけれども、それを説明するわけにもいかない。
かといって今何の話してたの?と今更聞くのもいかがなものか。

数秒の間にいろいろなことを思い巡らした挙句、俺はこう答えた

「ごめん、ちょっと良く聞き取れなかった。回線の調子が悪いみたい」
「Oh. Because this is an international call, right?」
「イエース」

あぁもう自分が情けない。でも、この危機を脱するにはこれしかなかった。
俺は言葉を続ける。少なくとも自分のペースで言葉を投げる限りは問題ない。

「Anyway, it’s so nice to hear your voice」(まぁでも声が聞けてよかったよ)
「Un.. It’s much better」(うん、こっちの方がずっといいわ)

呟くように話す彼女の声のトーンが心に響く。
大変だったけど電話した甲斐はあったと思う俺だった。


CN3-05b


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