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3-19.我接吻了
2008 / 02 / 24 ( Sun ) 日本で女の娘と食事をして、山下公園に行って、ベンチに座って、肩なんか抱いてしまった日には、相当期待感は高まるだろう。国は違えどまさに状況は同じ。俺の期待感はもうレッドゾーンだ。 30分後には糸を引く様なディープキスで、その後はホテルに直行してやる。 決意を新たに彼女の肩を抱きしめる。他愛もない会話をしながら、だんだん核心に入ってゆく。 「私、あなたの誠実さに感動したわ。あのメールに毎回2時間もかけていたなんて」 昨日の話が相当インパクトあったようだ。 「いやぁ、単に英語が苦手だっただけなんだけどね」 「普通そんなことできないわ」 「でも、君はそうでもないよね。昨日の分のチップも請求するつもりでしょ」 と、石を一つ投げてみる。彼女は驚いた様に身体を起こし、こちらに向き直った。 「そんなことないわ。私はあなたに逢いたいから逢ってるの。お金なんかいらないわ」 汗で濡れた顔に髪の一部がくっついている。無防備になってその表情は、俺の知らなかった顔だ。なるほど南方系っぽ顔立ちをしている、と思った。 でも、顔はともかく、聞きたかったのはその一言だ。 「ね、キスしようよ」 ここが機会だと思った俺は攻めの一手を繰り出す。しかし城壁は意外に高かった。 「駄目よ。ここはpublic space じゃないの。そんなこと恥ずかしくてできないわ」 「だって、見ろよ隣の中国人だってやってるぜ」 隣のベンチはキスなんてもんじゃない。間違いなく舌が入ってる。中国人のアベックというのは、ある面日本以上に臆面なくいろんなことを公衆の面前でやっているのだ。タブーを破るのが近代の証、愛情表現の発露だと思っているのかもしれない。それを横目で見た彼女は冷静にもこうのたまった。 「言ったでしょ。私は Traditional way の人間なの。駄目よそんなこと」 やや意気消沈する俺、ちょっと会話も途切れる。 と、彼女が「あーあ眠くなってきた」と言って俺によりかかりながらベンチの背にもたれ、顔を上に向けて眼をつむった。そのまま無言でしばらく時間が過ぎる。 あれ?誘ってる? ちょっと躊躇したが、まぁここは行くしかないでしょう。いただきまーっす。 彼女の顔に覆いかぶさるように顔を重ね、唇を重ねる。 顔を離すと、彼女はパッと眼を開け、そのまま首を左右に回して辺りを見回す。誰も見ていないのを確認すると、こっちをきっと見つめて「やったわね」とばかりにふくれてみせた。 |
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